いろいろわかってきた

キン肉マン』のコミックス版の2巻を読んでいたら、ずいぶんタイアップ的表現が多くて、たとえば、森永製菓の「ポテロング」という商品名をキン肉マンが頻繁に口にする。ウィキペディアによると、ほんとうにタイアップで、しかしグリコ森永事件のせいで中止したらしい。http://allabout.co.jp/sports/prowrestling/closeup/CU20060517A/index2.htm

とはいえ、この時期の特徴として、CMに子どもが熱狂するというのは、あったよ、確かに。今の子どもは、CMソングなんか熱唱したりしないだろう。ビタミンスーウマッチ♪なんて(これも古いけど)歌ったりはしないだろう。

手塚タッチが飽きられて、劇画の時代へ。その劇画も飽きられて、一瞬手塚が復権し、そして、こういう『キン肉マン』のような、絵柄がへたくそでも時代感覚に敏な作家たちが突出してきた。そのなかに、おお、小林よしのりもいたわけで…。劇画はそれなりに吸収できた手塚も、こういう作家たちにはなすすべなかったろう…。

同時にまったく架空の世界を描く『Dr.スランプ』のようなメルヘン、同じ架空の世界でも劇画的暴力を80年代風に洗練した『北斗の拳』、『うる星やつら』などの恋愛もの、パロディもの、なども登場してくる…。

架空の世界を描くことで、現実から離れるという方向性、メディア的現実に過密着することで、やはり「現実」から離れるという方向性が80年代から出てきたわけだ。この「現実」とは、たとえば福祉番組のようなものといいかえられるかもしれない。