山本夏彦が長谷川町子を惜しんでいた

出典を失念したのだが、記憶があるので書いておく。

山本夏彦長谷川町子のデッサン力のなさを惜しんでいたのである。たぶん長谷川死去のときの文章を私が記憶していたのだと思うが、私はマンガの出来不出来はデッサン力に関わるとは思っていないので、山本の感想には同意できない、と思ったのをおぼえているわけ。下手にデッサン力があったら戦前のマンガになっちまわぁ、なんて…。山本は『年を歴た鰐の話』の翻訳者でもあるし、絵を見る目はあっただろう。

小説家の女が描ける描けないに通ずるものがありはしないかと思うのである。マンガにしろ小説にしろ、売れたもん勝ちじゃい…。