未来人手塚治虫

『未来人カオス』(講談社漫画文庫版)の「あとがきにかえて」で、「孤独だ孤独だ」と愚痴をたれる手塚治虫に、ちょっとゾッとするのだが…。

『人間ども集まれ! 完全版』(実業之日本社)をはじめて読んだのだが、のちの『ネオ・ファウスト』に通じるものがあると思った。というか、『未来人カオス』の「あとがきにかえて」にも通じてしまっているわけで、未来人とは、無性人間とは、手塚自身のことであったのだ。『ネオ・ファウスト』が未完に終わったのは、もしかしたら『カオス』が未完に終わったように、運命づけられていた!?