「胡散臭い」

「素人臭い」というのが、「プロであるはずなのに素人みたいだ」という意味なのだから、「胡散臭い」は「あやしくないはずなのにあやしいようだ」という意味で使わなければおかしいはずなのだが、今はみな、明らかにあやしいものを胡散臭いと呼んでいる。

おかしいというのも「可笑しい」とかつては書いていたのだから、笑えるものを「おかしい」と呼んでいたのに、今は別にそうではない。「おかしいじゃないか!」と怒ったりする人もいる。

臭い(におい)とか、くさい、というのが、むかしは、臭いものについてくる状態だったのに、清潔社会になって、においそのものが対象として「実体化」してしまったために、「〜臭い」という言葉の意味の転化がおこってしまったのではないか。