「詐欺師」デカルト

だが遠慮なく言いましょう。私は多分に運が良かったと思っています。若いうちからたまたま踏み入る機会に恵まれたある種の道が、私を考察と格率とへ導いてくれて、そこから私は一つの<方法>を作りあげたわけで、この方法によってどうやら自分の知識をだんだんにふやしていき、才は人並みで生命は短くとも、行き着けるかぎりの最高点まで知識を高める手だてが私にはあると思われるようになったのです。(三宅徳嘉・小池健男訳『方法叙説』白水Uブックス

この、さりげなくあらわれた「最高点」という概念が、以後400年にわたって人々を拘束してしまった。王権とも、宗教とも、世俗的な地位とすらも関連の切れた「最高点」に人類は翻弄されることになる。

ホッブズ幾何学に出会って、それまで親しんでいだスコラ哲学を捨ててしまったこととも、妙に符節が合っていて、不気味ですらある。

理性については、以下はこちらでhttp://ameblo.jp/zor8qmt/