黒沢明における想像力

素晴らしき日曜日から二十数年たって発表されたどですかでんの、想像力という点においての苦さは格別である(しかしこの時点でおれはまだ生まれてもないんだよなあ…)。ほとんど敗北宣言なのではないかとすら思うのである。一九八〇年代に吉本隆明が資本主義を肯定したように、黒沢明もまたニヒリズムすれすれの空想の世界に逃げ込んだのである。