化け物映画とホラー映画

ついうっかり勘違いをしつづけていたが、ホラー映画とは恐怖の感情を楽しむための映画なのだ。私はホラー、イコール、化け物と思っていたが、それは間違い。この映画は(私にとって)怖くない、というのは、子供の感想。それは「お化けなんているわけない」というつまらないコメントの変奏に過ぎない。この映画は、なにを恐怖すべきものとして観客に提示しているか、それを作品から抽出し理解するのが観客の作業なのだ。

シリアルキラーものなど、私はいままで、いつ(仮想の)自分が殺されるのかという興味で眺めていたが、気がついたらあっけない、西洋人は、ああいう作品がシリーズ化されるのをみるかぎり、自分が殺人鬼であることの心理的緊張を楽しんでいたのかということに思いいたって、軽くぞっとする。自分が人を殺す欲望をもつことだって、そういえば、恐怖といえば恐怖なのだ。