犯罪者の気持ちが、「わかる」

これは記憶がさだかでないのでまちがっている可能性があるが、かつて江藤淳永山則夫の気持ちがわかると言ったそうなのだ。しかしウィキペディアをながめると、江藤は永山の日本文藝家協会入りに反対したとあるので、永山ではない別の人物(犯罪者)かもしれない。大塚英志の頭にはこのことがあったろうし、宅八郎は直近の大塚の事例を反復した。

しかし大塚は宮崎勤とかかわろうとした過程で宮崎の心が壊れていることを知っていった様子だし、宅はオウムの幹部たちに個人的にどういう印象をもち、オウムという組織にいかなる意義をみとめたのか、私はつまびらかにしない。ツルシ編集長(当時)はオウムに同情したおかげでその地位から引きずりおろされた。私は「同情の仕方」が浅かったから大けがをしたのだと思う。ほくろがじつはあばただったことから、彼らは目を背けたのだ。