私は幻想文学に興味がないので

『鏡の影』(未読)にしたって『日蝕』(同)にしたって、『薔薇の名前』から影響受けたんだろ、くらいにしか思わないが…。

もし佐藤亜紀平野啓一郎が『薔薇の名前』を読んでないとか言ったら、怠慢にも程があるだろ、と思うだけだし。俺ですら読んでるのに。

ただし、普通にエンタメ小説として読んで面白いのは佐藤の方だろうなとは、読んでもないのになんとなく勘で思う。

昔、1960年代の文筆家としての澁澤龍彦に興味を持ったことがあるが、秘密結社だの黒魔術だの、アホらしくてとても自分の時間を割いてまで触れようとは思わないのである。S.J.グールドやオリバー・サックスの本でも読む方がマシである。

…と、どうしても思っちゃう。



mixiにかつて書いた『薔薇の名前』のレビューを拾ってきた。「2006年05月18日 19:43」だって、五年まえでやんの。もう新宿へ越したあとだったかな。

中世がやっかいだなと思うのは、2人きりになることができない、ということだ。 

なにしろ神が遍在し、つねに見守っているのだから。 

神に隠れなき信心深きウィリアムとウベルティーノの会話を、 
アドソが記憶し、 
マビヨンが伝え、エーコが伝え、 
私が読み、 
あなたへ薦める…。