『生きてるものはいないのか』

舞台で俳優が「大量死」していくというのは面白い趣向なのかもしれないが、それを映画にすると普通になってしまう。難しいところだ。


パニック状況の中で、倫理観が麻痺した人物が死にたがっている人間を絞殺する。このくだりはちょっと面白いと思ったが、とくに展開されることなく軽いモチーフとして流されてしまう。


たまたまとはいえ、『コンテイジョン』『ハプニング』など、最近の洋画大作に類似する作品がいくつかある。エンディングからは『回路』や『吸血鬼ゴケミドロ』を彷彿とした。


都市伝説という語彙が、わたしもまた好きになれなくて、「うわさ」でいいじゃないかと思う口である。劇中で「都市じゃなくね?」とか「単なる嘘でしょ」とかツッコミが入っていて、なんとも快かった。