2009-06-27から1日間の記事一覧

啓蒙主義の光と陰

手塚の『火の鳥』の黎明編だか未来編だかで、雨乞いの効用を唯物論的に説明したくだりがあったが、ずいぶん極端な話だと思ったものだ。これはしかし、理屈が整ってる「から」かえってマンガに見えるのだともいえる。因果ではなくシステムだの構造だのと言い…

唯物論の呼称の起源は

「唯物論」と言う呼び名は、十七世紀西欧に遡る。十七世紀末ライプニッツは、すべての実体を物体的なものであるとするエピクロスにならう者たちを materialistes と呼び、デモクリトス主義者やホッブスの名をあげ、不敬を醸成する者たちとした。http://ja.wi…

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

アメリカが弱気になっているのか。老いて生まれて、赤子になって死ぬという主人公の設定は、そうすることで人間から人生を抽出し、さらに、男女の宿命的なすれ違いまでも表現しようという欲張りな動機からのもの。しかし、まさにそこが問題だ。アメリカは欲…

『トランスフォーマー/リベンジ』

こういう映画も、とうとう俺の見るものじゃなくなった。さすがに卒業という気がする。

感覚的な人

出遅れた話題だし、話の本筋からも外れるけれど、いま知ったので書いておくと、小谷野さん、官能的な人はともかく感覚的な人という表現はあるでしょう。非論理的な人、語彙が貧弱な人という意味で、「感覚的な人」という表現は、しますよ。官能という語は、…

日本という国

氏姓制度による集団化、早い段階で権威を外国にゆだねたこと、宗教を精緻化しなかったこと、どちらかというといたずらにバラエティを拡大したこと、いったん中国のような王朝を築いたけれどすぐにぐずぐずになったこと、武家支配がかなり長くつづいたこと、…