2010-04-23から1日間の記事一覧

一般性への義理立て

しかしとはいえ、「危ないですか」「よろしいですか」となると、これらはさらに誤用の印象を私に与えない。明治になって形式上でも身分は平等であることになって、客観性や一般性の概念に無理矢理馴染まなければならなくなった日本人の混乱がこれらの表現に…

「よろしいです」という盲点

上記リンク先でkanimaster氏が「よろしいです」を例に挙げていたのには盲点を示された思いがする。私は「よろしいです」にまったく違和感を感じないのだ。「危ないです」には幼さ拙さを感じてしまうのに。こういうときにはまず『江戸語の辞典』である。もと…

問題は「です」のほうにあったんじゃないの?

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20091023 http://d.hatena.ne.jp/kanimaster/20091022/1256217225 http://d.hatena.ne.jp/mailinglist/20091025/p1 ですという助動詞が近世では気取っている時に使う表現だったのが、明治期から学者学生が使いだして言葉…

小説「失われた男を求めて」

昭和の終わりか平成の初めの頃、女は駅前の大型スーパーに単3電池を買いに向かっていた。女はこの東京郊外の新興住宅地に越してから運転免許を取得して軽自動車を日常の足にしていた。電池はビデオデッキのリモコンのためのもので、他のついでが何も思い浮か…