2010-10-31から1日間の記事一覧

『Never Let Me Go』のGo

そういえば死んだことを映画では「ヒーイズゴーン」と言ったりする。「ゴー」という言葉にはそういう意味もあるのだ。去られる寂しさではなく、去らなければならない寂しさ。『わたしを離さないで』というのは、まさに絶妙な訳であって、「はなさないで」と…

『わたしを離さないで』と『レギオン』

どちらも居眠りしてしまったので、作品まるごとの評価は下せない。しかし、ちょっと思ったことがある。私たちはいつか死ぬことを知っているのに、なぜか『わたしを離さないで』の臓器提供者のような境遇を憐れむのである。よく考えたら不思議なことである。…

再生「産」

『冷たい雨…』の終盤で、広場のテーブルで憩う組織のボスの前にドレスの女が出てきて媚態をふりまくシーンがあって、女は臨月間近なのにボスははじめはそれに気づかない。映画ならではのシーンである。このシーンは映画冒頭の、ボスの愛人が彼を裏切って男と…

ある肉体の社会的属性を、殺害することでフィックスする

『冷たい雨…』を見ていて強く感じたのは、そういうこと。生きている人間には無数の意味が付着しうるのだ。偶然と、それに付随した仁義を重んじて、主人公たちは組織のボスに反抗する。主人公らのグループは不思議な無常観に浸されている。主人公たちの行動原…

『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

なんだか頓知のような展開。記憶と復讐の関係にせまった着眼点は面白い。記憶喪失の白人の男が、識別のためにポラロイドカメラで撮った写真を持ち歩いている。人種が違うと個人識別が難しくなる傾向を、アジア人の側から皮肉に指摘したようでもある。多くの…

日記

またもやフレッドクリスマンで来る人が増加した。私はその番組を見たことがないがよほどクリスマンに興味をそそるようにできているのだろう。