行政警察規則(明治8年3月)

第一条より、「行政警察の趣旨たる人民の凶害を予防し安寧を保全するに在り」。第三条から、「其の職務は第一、人民の妨害を防護すること、第二、健康を看護すること、第三、放蕩淫逸を制止すること、第四、国防を犯さんとする者を隠密中に探索警防することの四件とす」。第五条には、「警察官吏は共同一般の裨益を計り一家隠微の小悪を発(あば)くべからず」。

中央公論社『日本の歴史 20 明治維新井上清著の374と375ページから孫引き。原文カタカナをひらがなに改めた(入力モード変更が面倒だっただけ)。

ずいぶん常識的であっけにとられた。「人民の凶害」は「人民の被害」、「人民の妨害」は「人民の防犯」、「看護」は「見守る」というほどの意味だろう。本質は、いまでもこれでいいんじゃないのと思うのだが。第三条の四はようするに「このゲームそのものを否定するな」ってことなんだから、いまの若い者にも飲み込めるはずなのだが。