2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

私と死のオブセッション、関東大震災・東京大空襲・原爆攻撃

どれも私が生まれる前の出来事だが、生まれたときからテレビ漬けだった私には、現実よりリアルに感じられた事象たちなのである。小学校の頃かよっていた学童保育所では、関東大震災をあつかった紙芝居というのがあって、幼い私は災害の恐ろしさに脅えたり魅…

「まったくの他人」

小谷野さんが江藤淳の文章を息苦しいと評していたのを読んで、ふと思ったのだが、東京だの下町の一族だのにこだわった小林信彦の文章を嫌う人も、また同じように「息苦しい」と思っているのではないかということ。私は江藤の著作も小林のも、自分と世代も階…

「万系一世」

いかさんがよそのブログのまちがいをからかっていたけれど、私も気になって検索したら、一件、やってた(直さないでおこう)。系と世で母音が同じだから、意味を考えないでいるととりちがえてしまうわけだ。というわけで意味を考えたのだが、万世にわたって…

自意識過剰について

いかさんの愛読書であるらしい『地下室の手記』は、たまたま私ももっていたので行き帰りの車中で眺めた。この作家の小説は読み通したことがない。今回も眺めただけだ。冒頭の主人公によるペテルブルグへの不思議なこだわりは、いまの私には小林信彦の東京へ…

いやはや!

いかさんのブログに触発されまくりである。なにしろ私はある予感にいざなわれて『羊をめぐる冒険』を買って手元において、しかし忙しくて読めずにいたからだ。2010年は、したいことが山積みだったけれども、外的事情でどれも2011年に持ち越してしまったのだ…

あはは

http://blog.goo.ne.jp/ikagenki/e/32e32ed81e4c88dd3ae573dc6aca23ec 私も『もてない男』のあとがきのノンシャランスに惚れた口なので、いかさんの「不満のようなもの」はよくわかる。「実際の」小谷野さんは、あのようではないらしい。とはいえ、作家が自…

なぜ「餓鬼」なのか?

いかさんのブログを読んでいるのだが、皮肉抜きに教養人でいらっしゃるようで、私など歴史はからきし駄目だからただただ恐れ入るばかり。ところで子供のことを「餓鬼」というのはなぜかと、いかさんのブログを読んで、ふと疑問に思ったのである。封建時代は…

おお!

ひさびさに衝撃をうけた。最近ネットサーフィンしてないからということもあるかもしれないが。http://blog.goo.ne.jp/ikagenki/e/5c4863e445050ad4f58c2661ce825f0cでもまあ、別項でいかさんは岸信介の夢精話をあつかっていたけれど、ほんとに性意識って時代…

『裏声で歌へ君が代』

読みはじめる。『たった一人の反乱』を読んでいないので見当違いかもしれないが、非政治的人間の政治小説(箱の文句)というのは、なんだか吉田健一なきあとに丸谷がおもむろに吉田が嫌いそうな題材に着手した感じをうけるのである。丸谷は三島を低く評価し…

なるほどねえ

いかさんは、小谷野さんにかぎらず、木田元や林達夫の「経歴隠蔽」にも手厳しい。私は、うまいことやった「ぬんげん(いかさんお好みの表記)」がそのことを隠すのを特におかしいとも思わないのだが、おかしいと思いたい人もいるわけだ。いかさんの明治維新…

いろいろ考える

日常生活におけるデジタル化はいったいどういう意味をもつのか。「大きさ」とか「比率」とは結局なんなのか。法律と不文律と人倫(夫婦別姓はここに入る)。現実と言葉。空間とそれを維持する労力。デジタルに依存する生活は、ようするに「事前にこれから起…

家(公)と私 (夫婦別姓の話)

最近表札を出さない人が増えたでしょう。近所の人だって、そういう人にたいして、もう、特に不快に思ったり不気味に感じたりなんか、しない(いや、けっこういるかな、おれもちょっと「えっ?」と思うほう)。個人情報は公開しないぜということなのかな。戦…

ごく単純な利得を要求すること

第一、もし三、四人子供を産むのであれば、家名を残したい女は、うち一人を親の養子にすればいいだけのことだ http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20110106 そうすると養子になった子供は、同じ家庭に育てられているのに自分だけ苗字が違うことになるのだか…

『結婚恐怖』

1996年に30すぎで放送作家への道がひらけはじめた男と、その周辺の男女が描かれている。作者より30歳年下の世代の描写は、かれらの考え方なり会話なりに、さすがに首を傾げるところがあるが、しかし業界周辺にただよう「なんだかぎこちない人」を観察する眼…

丹羽文雄

若い頃の美貌はこの動画の4:01あたりから出てくる。それにしても死んだ母と悪人正機について語る丹羽のアップには、その演出方法の極端なのに笑ってしまう。ホリゾントをオレンジにしたりブルーにしたり、まあいそがしいこと。母を許すだなんて究極の傲慢さ…

『母子寮前』

検索エンジンから来る人が多かったので、芥川賞でもとったのかと思ったらノミネートのようである。めでたいことである。ぜひ選ばれてほしい。それでアマゾンをのぞいたら、ああ、毀誉褒貶について言ったのって、これだったのか、と。

『ノルウェイの森』(映画版)

原作小説の、あの恥ずかしいオープニングはばっさりカットされた。きっと監督が「俺は撮らん!」と一喝したのだろう。こちらはそれほど悪くない小説幕切れの「あなたはいまどこにいるの?/ぼくはいまどこにいるんだろう?」の方は、「活かし」となった。と…

取り乱し方、いろいろ

http://twitter.com/tamanoirorg/status/20735414969044992 なんだか反応があるだなんて予想しなかったので意外である。いや、小谷野さんの本の出来がどうしたみたいなことをいうから、それは関係ないだろう、取り乱しているなと解釈した次第。「文脈ずらし…

もともと

「家名存続のための夫婦別姓」というのが、どうもトリッキーな考え方に思えていたので、すくなくとも一件実例が見聞できたという意味では、佐藤さんに感謝しているわけである。不快にさせたとしたら残念なことである。子供のみょうじはどうするの、というの…