2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

クレジットタイトルとタイトルロール

エンドロールと混同されるんですかね。エンドロールのロールはrollでフィルムの巻きのことで、タイトルロールはroleでロールプレイングゲームのロールと同じ(これでおぼえたでしょう?)。たいていの映画のクレジットはエンドロールに記載されて(しかもス…

ベケット以降?

言葉には魂がこもっていなければならないのを、魂なんてないことにしてしまったから、魂を主体におきかえたわけだ。民主主義。みんなの総意によるイデオロギーを糧として主体として立ち、言葉を発する、指示をあたえる。 言葉は言葉でしかないから、それを「…

捕鯨と家畜

自分で育てたものは自分で処分していい。食ってもいい。しかし、それだと自分の子供も食っていいし、殺していいことになる。それはまずい。じゃあ人間は他の動物(家畜)と違うことにしよう。…西洋人がそう考えているのなら、それはひとつの理屈であるなあ。…

「ひかりごけ」と捕鯨

教育テレビで日下武史が船長を演じているのを見た。人という枠組みから外れれば(主体からおりれば)なんだってできる。しかし、そのことを他人に説明することはできない(主体に復帰しなければならないから)。なぜ鯨肉を食うのか西洋人に説明できないよう…

広末復活

『龍馬伝』。革命なんておおげさなと思っていたら、たしかに「映画っぽい」。テレビドラマは上と前から照明が当たるので(セットには天井がない)、あの独特の画調になるのを、この番組ではロケセットにして上からの照明をやめているようだ。でもハレーショ…

『人斬り』を見てる

このロゴ懐かしいな。

これ、ひどくない?

今井氏は人気番組だった「プロジェクトX」の制作統括を務めていたが、08年11月に東京・渋谷の衣料品店で計7300円相当の衣料品を万引したとして書類送検された。無罪を主張しながら昨年4月にNHKを依願退職。その後、同9月になって東京区検が不…

なぜpseudo"couple"なのか

『名づけえぬもの』を未読のまま言ってしまうと、孤独な人の独白は、現在はともかく過去には話者が主体として確固としていたことを証明してしまうからだろう。pseudo-individualというのは成立しなさそうだ。『ゴドー』の哲学をかたる奴隷ラッキーがいい例で…

場所と主体

『ブヴァールとペキュシェ』も『ゴドーを待ちながら』もタイトルしか知らなかったので、ウィキペディアであらすじを読んだ。『ブヴァールとペキュシェ』のあらすじには笑わせられた。『ゴドー』のウラディミールとエストラゴンが家なしというのが面白い。主…

「子女」には「子と婢」という意味もあるのだろうか

松本清張が『昭和史発掘』でそううけとれる使い方をしていたのだが…。

大江健三郎がpseudocoupleをつかうことは特に無意味ではない…

とはいえ、もとの用法からは、ずれているようだが(リンク先参照)。「おかしな二人」といえば多くの人がまず思うのは昔の映画のことだし、たしかにちょっと引っかかりは感じる(読者は大江が映画史にそう詳しくないことを想起しなければならない。とはいえ…

『ブロークン・トレイル』

厳しい世界を淡々と描いている。主人公が馬盗人を平然と吊るしたあたりからひきこまれた。自分で判断して人を殺していた時代…ブロークン・トレイル (2枚) [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2007/09/26メディア: DVD ク…

限定の助詞としての「が」と「は」

「あなたが好きです」という表現は「あなたを好きです。そのあなたは他の誰にも替えが利かないあなたのことです」という意味。「最後まではしなかった」という表現は「途中まで、ないしはかなり最後にちかくまでそれをしたのだが、やりきらなかった」という…

「あなたは好きだよ」

これは「ほかのひとはそうでもないけど」という前提がコノテートされてる。その状況にくらべて「あなた」を強調しているのだ。しかし「あなたが好きです」というのはもう古めかしい。「由紀恵が好きだよ」とか「あきのこと好きだよ」とか、名前で、しかも助…

企業や自営業が税務署に特定の費用を必要経費として免税・減税を主張することを「経費で落とす」と言うかあ?

本当ですか、小谷野さん。 まあ手に領収書があってそれをはらりと落とすイメージなのだろう。「経費で」の「で」は手段を意味する助詞。

レイントリー

たしかにトリーでいいのだ。なんでトゥリーやツリーなんだろうと思う(子音tのあとにrがくるからか)。「スターシップ・トゥルーパーズ」だっておかしいよ、きみたちは「サムライトルーパー」を知らないのかっ。

『スカイ・クロラ』(原作小説)

たしかになにもないすみきった空を飛んでいれば、気がへんになってしまうこともあるかもなあ、という気分にはなれた。函南の生活と意見の、意見の方は幼稚にすぎてお呼びでなかったが、生活の、仕事の描写は面白い。 映画の函南の独白と草薙の長ゼリフは両方…

攻撃することは、自らの狩猟本能を満足させる

狩りあつめた獲物たちをながめることで、男は過去の満足を想起できる。しかし笑いには、具体的なモノがない。パロディが恐ろしいのは、狩猟本能の代理行為であるからだ。なぜそれをほしがったのか、それを得ることでなにを実現したかったのか、そういう衝動…

テレビないし妄想

知り合いと古谷実のマンガについて話をしていてふと気づいたのだが、古谷のギャグってテレビからノリを得ていて、それは赤塚だってトニー谷の映画から取材していたからとくにどうということもないが、古谷のは「妄想」なのだった。古谷のギャグは妄想だから…

形式化がはじまった

最近の笑いがつまらなくなったというよりも、形式を破壊し続けた笑いの世界にゆりもどしがおこって、お約束のポイントで笑う旧来の笑いに戻ったのだろう。なにも笑いはかならず狂気と結びつかなければならないわけではない。リズム感と機智の時代にもどった…

禁煙学会が『スカイ・クロラ』にも質問状を出していた

http://www.nosmoke55.jp/action/0808skycrawlers.pdf この映画のタバコは、ふつうに考えて、登場人物たちのよるべない心象を表現する小道具だと思うのだが。このキャラたちには共感したり同情したりしこそすれ、憧れたりはしないだろう。「タバコを吸わない…

俗情と結託するタバコ

「悠々自適な高齢者の表現」か「仕事と格闘するストレスの表現」かぐらいしか、思い浮かばない。どちらも「憧れるタバコ」じゃあないよな。「憧れるタバコ」は、反抗する者が自分の時間をもっていることの表現としてつかう場合だ。そう考えると『スカイ・ク…

俗情と結託する口唇

そういえば映画で男が女を押し倒す時って、だいたい女の乳房を揉むあたりでシーンが切れる。乳房や尻をべろべろ舐める男は、悪役の記号だ。主人公は舌使いを禁じられているのだ(乳首へのキスぐらいはしている)。舌をからませるキスは不倫の記号。ピンクを…

ファンタジーとして大傑作

『アバター』を見てからずっとファンタジーについて考えている。この作家のマンガは『バイクメ〜〜ン』が一番好きなのだが(『座敷女』と『ドラゴンヘッド』はダメ)、『万祝』はそれを超えそうだ。ファンタジーとして、ジャンルは違えども『万祝』は『アバ…

不明を恥じる

大好きだった『僕といっしょ』のあとに出た『ヒミズ』があまりにも不快だったので見限っていた作者だったが、『シガテラ』と『わにとかげぎす』はかなりの傑作だった(『シガテラ』のほうがとくにいい)。とはいえ、連載でこれを追いかけるのはたまらんな。…

寅次郎はあつかましく、一般人はつつましい…わけではない。

一般人だって局面によってはあつかましく出なければ、一般人でい続けることさえできない。どこで出て、どこで引くかの基準が寅次郎と「素人衆」では違うわけだ。まずは幼少期に一般人の世界からはじき出された寅次郎がてきやとして自己形成した、つまり世間…

別に知られてもいいだろ

よく映画で、犯罪をしているわけでもないのに、自分たちのやってることを警察に知られたくないという動機が物語のエンジンになっていることがあるけれど、こういうのをみるたびに不満になる。知られたっていいじゃねえか、と思うのだ。その点『幸福の黄色い…

ジャニーズと慶応的

ジャニーズ事務所では近藤真彦だけが別格でマッチさんと呼ばれ、ほかは年齢関係なく君付けで呼び合ってるらしい。

そうか、山田洋次も早稲田的なのか

それだと私が想定する早稲田的よりも、小谷野さんの早稲田的の方が広いのかな。おととい早稲田松竹でみた『男はつらいよ 寅次郎相合傘』だったか、イギリス王室にかこつけて天皇制をちくりとくさすシーンがあったけれど。私は山田って早稲田的な感じはしない…

『幸福の黄色いハンカチ』

刑期を終えたほうの勇作(高倉健)が黄色いハンカチを視認するさいに、「男はつらいよ」のテーマの最初の音が「ちゃ〜ん♪」となるのがおかしい。音楽の佐藤勝(「男はつらいよ」は山本直純)のいたずらか。この映画の桃井かおりは超かわいい。幸福の黄色いハ…