2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『エホバの顔を避けて』

やっと途中まで来た。これは凄い。なんというか、心理学をここまで実践しているのも、珍しいというか。『虚人たち』よりもよほど超虚構しているなあ。「超自我(エホバ)」を、ヨナ(「わたし」)がまったく批判しないさまを、他人である読者、つまり私が読…

丸谷才一の『野火』好き

『エホバの顔を避けて』に影響を与えているような気がする。

いろいろな「大」(大について)

大乱歩というのは、それこそ似たような作風の時期があった谷崎が大谷崎と書かれているのを見た誰かが、乱歩にも「大」をつけてみた、というあたりではないか。後進をたくさん育てたから、みんな仲間だ派閥だとおもった「弟子」もいろいろいただろう。日本の…

時代を後ろ側からしか見ないまぬけな人々

なぜ大漱石ではないのかって? だってヨユー派だったんだぜ。たくさん書かずに急逝してるし、弟子筋が岩波書店をもりたてていくなかで聖典になっていったんじゃないか。

しかしだね!(大について)

大デュマ、小デュマの区別は親子だから違和感ないけど、兄弟で大だ小だってのは違和感ある。なんで兄谷崎、弟谷崎ではないのか。まあ大谷崎を特に立項して、「小谷崎」という言葉はことさらに流通はさせなかった、ということもありうる。そういうセンスは、…

ゴシップ的日本語論作者: 丸谷才一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/05/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る中央大学って昔は神田にあった。のだそうで、これはなんだか凄く腑に落ちた。 あと、どれどれとおもって小林秀雄の講演を探…

スタンダールの上の名は?

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100709 そんなことを言えば、俳諧にかぎらず、夏目金之助だって「漱石」としか署名してない著作に「夏目漱石」と新聞社や出版社にやられたのは本意ではなかったろうし、森林太郎だって一度は「鴎外」を昔の名だからもう…

日本の大人の人たちが、おっかなびっくり、パロディの世界に進入していく…

蒲田行進曲 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 2009/01/28メディア: DVD クリック: 11回この商品を含むブログ (15件) を見る『蒲田行進曲』というタイトルで、しかも松竹が作っているのに、東映の撮影所が舞台で、監督も深作欣二。すごくねじれ…

若!

『ノン子36歳(家事手伝い)』

そういえばたてつづけに「男の監督が撮った女の映画」ばかり見ている。夜中の商店街を自転車でうろうろしてゴミ箱をけっとばすノン子の日々や、勝手に押し掛けてきてテキ屋の仲間に入れてもらえなかった青年が逆恨みしてチェーンソーで祭りの櫓を切り倒すあ…

『秋深き』

涙腺決壊。嘘といえばこれほどの嘘ばなしはないのだが、でも、こういうのこそ映画だなあ、と。なんで最近の映画は難病ものばかりなのか。フロイト派のくせに不覚にも気づかなかったが、経済の不満、思うように物が買えないストレスを、「別れ」の苦痛にすり…

『インスタント沼』

冒頭、「前向きで行こう」の豪快パクリにあっけにとられたが、「画竜点睛を欠く」ということわざを絵解きしたような作品。なんで女ばかり「ババ」かぶるのだろうね。フロイト的に解釈できすぎて、よくない気がする。この作品は結局、中年になってめぼしい楽…

『少年メリケンサック』

意外や意外、ものすごく面白かった。宮崎あおいが、ときどき、高村薫のように見えて、ちょっとウケた。本当に打ち込むべきものを見つけてないから、軽い躁のような状態になって働いている。サーチャーから、マネージャーへ。『インスタント沼』は、そのまま…

主観と客観

http://d.hatena.ne.jp/HIROMITI/20100703 「常民」なんて、いるんでしょうかね。「反抗者」ということでいえば、犯罪者や精神病者、ひきこもり、あるいは自殺者などは、合計すればかなりの数がこの国土のうえに生息している・していたことになるが、こうい…

『ガキ以上、愚連隊未満。』

ガキ以上、愚連隊未満。作者: 井筒和幸出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2010/05/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 34回この商品を含むブログ (8件) を見るラサール石井とははたち前のころから交流があったらしい。『パッチギLOVE&PEACE!』の不…

『ヒーローショー』

ジャルジャルを知らなかったので、見ている間は、ストーリーの配分がアンバランスな気がしたのだが、ジャルジャルを知っている人が見たら、そうでもないようだ。いまユーチューブで「しりとり」のコントを見たところ。この映画でも、人があっけなく死んで、…

『告白』の副読DVD

ヘザース?ベロニカの熱い日?【字幕版】 [VHS]出版社/メーカー: CICビクター・ビデオ発売日: 2000/03/24メディア: VHS クリック: 3回この商品を含むブログ (16件) を見るTHE WAVE ウェイヴ [DVD]出版社/メーカー: アットエンタテインメント発売日: 2010/04/28…

『パッチギ! LOVE&PEACE』

タイトルクレジットも控えめに、さくさく物語が進む様子からは、監督が照れ屋なんだなということがなんとなく伝わってくる。皇民教育(パソコンの辞書に入ってない)のシーンがあったのはよかった。当時の日本は善かれと思ってこういうことをやっていた。イ…

啓蒙主義ってそれほど相対的だったんだろうか

http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/20100630/1277825734#c1278088025 モンテスキューについては知らないけれど、ルソーはポストモダンの源流の一つでしょう。いろんな立場を許容しなければという遠慮にみせかけた高慢が、自分を自縄自縛の状態へ追い込んで結果…

ドブスを守るなんとやらは大学を破門になったらしい

退学者を守る会に入会しましょう…。でもまあこの人たちは、「信頼が裏切られたときの人間の反応」をテーマに活動していたんでしょう? なら「学問の自由」を盾にとって、自分の身分を守るために戦うべきだったのだとも思う。謹慎してほとぼりが冷めるのを待…