2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

わかりきったこと

敗戦からいままでに、日本の人口は2倍ほどにしかなっていないのに、経済は何百倍にもなっている(貨幣価値の変動は無視しているけど)。人の生活が変わるのも、そう思えば当然なんだったなあ…。

一神教の世界

機会があってイスラエルを舞台にしたドキュメンタリーを拝見したのだけれど、本当にあそこって、自然が貧弱で、都市しかないんだなあってこと。人しかいないから、「人間」の尊厳が問題になるんだ。怖いな。爆弾テロって、自分の体をミンチにしてでも、自分…

『buy a suit スーツを買う』

感動した。アニキのほうが、空回りしてる元天才、というのがいい。その元天才のホームレスの空理空論を、すこしはなれて、にこにこしながらながめる妹、というのもいい。激昂をおさえきれない兄が、だされた料理をオモチャにするシーンが、行儀悪くてイヤだ…

バンバン通ってる前で…

昼前に四谷の駅前に行ったら、路上喫煙防止キャンペーンの人たちが、拡声器で訴えてた。四谷の駅前なんて、道、片側4車線なのよ。4車線。目の前を大量のクルマがバンバン走ってるのに…。これは小谷野さんじゃなくても、思わず吹き出す光景だと思うよ。そし…

筋肉と力こぶ

発達した筋肉は、要するに力「こぶ」なのだ。頭をぶつけてできた瘤だって、触らなければ痛くない。

『日本人ならこう考える』

たまに養老先生は右翼っぽいことをぽろっと言うことがあって、そういう細かいことが気になる私は、こういう本が出てなんだかすごく腑に落ちた気がした。ああ、やっぱりそうなるか、と。アメリカ嫌い、中国嫌い、政治家嫌い、宗教嫌い批判、などなど。話がか…

『脳と魂』

第四章のはじめのほうで「筋肉の記憶」について語っているところは、ちょっと意見があるのである。筋肉を鍛えはじめると、筋肉が増大するまでに時間がかかる。これは、筋肉に記憶する部位があって、それが一定の時間と負担を察知するとタンパク質を余分に生…

『ロボット・モンスター』

宇宙人が地球を征服して、生き残りの人間に降伏を勧告する。おとなしく出てくれば、安楽死を与えよう。逆らえば、虐殺してやるぞ。こういう発想が、日本人には興味深い。あるいは、戦国時代の日本人なら、素直にうけとったかもしれない。西洋人が魚の活造り…

『ソイレント・グリーン』

主人公のヘストンが、悪を告発する動機が興味深い。すでに起ったことの悪を告発するのではなく、この悪を認めると、さらなる悪を招来するから、それを防ぐために告発する、というのだ。「ソイレント・グリーン」を認めると、「ソイレント・グリーン」用の材…

情報化が人々から失わせたもの

ガッツとかソウルは、結局情報にはなりおおせないものだったのである。魂など外在しない、神など存在しない。こういうのは結局富裕階級の言葉遊びでしかなかったと思うのである。まあさすがに魂などと口走るとギョッとされるから、ガッツとか根性とか言うし…

私という存在

筋肉と骨と内臓と、あといくつかのパーツで構成されている存在。じつは、根がテレビっ子なものだから、そういう風に考えたことがないのだった。しかし、私はそういう存在でしかない。足の腱とか、考えもしない箇所に走っていて(いちいち触ってみたりしてい…

見えないものごと

体感というのがあるから、それが形而上的な考えの基礎となったのではないだろうか。体感を抜きにして、形而上学やら身分制やら宗教やらを見たら、それはその人の目には迷妄としか映らないに決まっているのだ。体感は、目に見えないのだから。私が筋トレをし…

モノとのあいだの心理学

禁煙にふみきるさいに、その必然性を考えるところからはじめないと、禁煙はうまくいくはずがないと説くのが面白い。代替品への考察などがあって、ガムやアメなどではなく、氷をしゃぶることがベストであることの発見、タバコを吸っていた頃と日常感覚がかわ…

『ダイヤモンドは永遠に』

二人組の殺し屋の造型や、『ラブドワン』を真似たとおぼしき葬儀産業ギャグなどの設定が、なんだか奇妙に病的である。健全で明朗な1960年代は終わりを告げ、複雑怪奇な1970年代がはじまった…。この作品の一年ちょっと前に『地獄に堕ちた勇者ども』、つぎの年…

『サンダーボール作戦』

のちに『ネバーセイ・ネバーアゲイン』としてリメイクされている。ドミノとラルゴ(DVD字幕ではラーゴ)の関係が面白い。『ネバーセイ…』のラルゴは、ドミノを愛人にしようとして叶わないというのが話の要素の一つなのだが、『サンダーボール』では、はじめ…

『ブロークバック・マウンテン』

イニスが山を下りてからの牧場生活が、一切画面に出てこないのはあまりに人工的だなあと思った。主演の二人は、時間の経過にあわせて、いちおう老けメイクをするのだけれど、ブロークバックの山の湖畔には、そんな加工をする必要がない。ここでは、時間が止…

身体論とコンテンツ

図像や音響は、網膜や鼓膜への刺激の反映で、記憶はそれを保持する脳あってのことなので、ようするに、私が思っていた以上に、身体論の幅は広かったのだ、と。唯一身体論がとらえきれないのは時間で、時間は、加齢のことを考えると、時間に関わる気もするが…

『たみおのしあわせ』

女性憎悪がベースにあって、いまどき珍しい映画だ。とはいえ、主人公たちにも感情移入できず、作り手の巧さが映画から浮き立ってしまっている。たみおのしあわせ [DVD]出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2009/02/06メディア: DVD購入: 3人 クリ…

みっともないという意味の「情けない」

小谷野さんが「我ながら情けない」と書いていて、ふと思ったのだが、なんでみっともないという意味で「情けない」と言うのだろう?かわいそうな状態を見聞きするとこちらの気分が悪くなることから転じて、対象の方を「気の毒」と表現しているように、みっと…