2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

30歳の橋本青年は、サラリーマンをやる元同級生たちに、お前らは何様のつもりで男をやっているんだ、と叫んだ、らしい…

小原宏裕監督作『桃尻娘』を私は見ている。それにちょい役で出演した橋本青年は歴然と素人だったが、クイズ番組やら全共闘回顧番組(!)やらに出ていてテレビ慣れはしていたらしい。たまたま気の優しい大男だった橋本青年は女に強く出ることができなかった…

小説「失われた男を求めて」

昭和の終わりか平成の初めの頃、男は事務所のワンルームマンションで、灰皿の中身を三角コーナーにあけて、水を注いでいた。吸い殻の一本にまだパイプがささっていたのに気づいてこれを外した。透明なプラスチックでできていたパイプはヤニで黄褐色に濁りフ…

『誰かが私にキスをした』

恋愛を通して、しかし、成長にあわせて自我を再編成していくことを描いた映画なのだろうなあ。過去にこだわったマツケンが結局は振られ、消えた過去を堀北に無理強いしまいと堀北からつかずはなれずの距離をとっていた手越祐也が選ばれるのはそういう意味で…

意味・音・歴史

wikipedia:現代仮名遣い まえに、小谷野さんから「を、は、お、と発音する」と言われたが、そういえば、「てにをは」も、音に忠実に表記したら「でにおわ」なんだなあ…。たしかに音を写し取るだけの文章は、一見しただけでは何の事やら分からない(たしかに…

わたしとフロイト

わたしも人間はそれぞれ同じでなければならないという観念に強迫的にすがっていたが、最近やっとそのことを直視するようになって楽になってきたのだ。病気は治せない。治したいと思う主体が病気の本体であるからだ。それこそ、なんじの症候を楽しめとしか言…

20世紀人とフロイト

人間はみな同じだという観点からみれば、それはフロイトは否定せざるをえないだろう。アメリカ人が必死に精神分析を崇拝しようとしたのが興味深い。本質的に非アメリカ的なフロイトさえも包摂しなければならないという強迫観念にでも、かれらはつきうごかさ…

一円でも一億円でも、妄想(ぶんか)は妄想(ぶんか)

映画の入場料が高いという批判は、あまり批判になってない気がする。同じ人が、テレビは惰性で見られるものだから、面白くならないと言ってもいるのだから、この人は結局何をいってるんだかと思う。私は個人的に、映画の入場料は高いなと思っていたが、それ…

『誰かが私にキスをした』

外人監督で、日本国内が舞台で(ロスのシーンがちょっとある)、清水美砂が出る、ということで『レインフォール』をちょっと連想した。『はりまや橋』は見ていない。面白かったのは、東京のアメリカンスクールが舞台で、主人公にはアメリカ人の恋人がいたの…

三島由紀夫と石原慎太郎

三島がボディビルをはじめた直後くらいに石原慎太郎が登場して、三島は自分がやってきたことの意味をはじめて意識的に理解したのではないか。そうか、自分は、強がっていたのか、と。『鏡子の家』以前以後で、三島文学は、「無意識的に強がっている」前期と…

ただで配っているものも読んでない、と…

http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:__fqxH4b_ysJ:r25.yahoo.co.jp/interview/detail/%3Fid%3D20080313-90003700-r25%26page%3D2%26order%3D72+川端%E3%80%80三島%E3%80%80石原%E3%80%80みずうみ&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&client=safari…

なるほど、拝一神教と唯一神教か

http://www.amazon.co.jp/review/R3I5GADM52P789/ref=cm_cr_rdp_perm そうそう。こういうことが言いたかったんだよ。

伊丹十三と岸田秀

『「哀しみ」という感情』売っちゃったんだ。伊丹について何といっていたか。誰か教えてよ。あと岸田は『日本がアメリカを赦す日』で大江を名指しで論評している。これは意外だったな。なんかタイトルも『みずから我が涙をぬぐいたまう日 』みたいだし。大江…

なるほどなあ…

セガールは性的欲求を満たすため、週7日、24時間体制で待機する2人のロシア人女性を雇っていた。そのうちの1人が辞めたため、グエンさんに代役を依頼。ニューオーリンズの自宅に連れて行き「これから(ロシア人と)セックスをするから、見ていてほしい…

法と権威

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100415 法というものが国家の参加者のニーズに応じて適宜変更できるものだとしたら、たしかに権威を法であつかうのは具合がわるい。権威は問答無用のものでなければいけないから。日本国憲法第一条は、アメリカ人のごく…

いろいろ

橋本治は『桃尻娘』以降は、わざと文学賞に嫌われそうな小説ばかり発表していたから、候補に選ばれなかったのはしかたない。『鞦韆』とか『S&Gグレイテスト・ヒッツ+1』とか。 上岡龍太郎は親類がインチキ宗教(あ、これは重語だなあ)にひっかかって苦労し…

預言者の宗教

一神教と呼ぶべきではないような気がするのだ。預言者の宗教と呼ぶべきだろうと。そういえば、仏教、よくは知らないから、たとえば鎌倉仏教の僧たちは、あれ預言者じゃないよね。ないと思うんだが。ラーマヤーナなんかはまったく知らないけれど、預言者がい…

メタ宗教たち

孔子の活動だけ面白くて、社会がよくなることが目的でかれはそれに仕えていた。人とか神ではなかった。シッダルタの目的は苦しみからの離脱で、これはわかりやすい。イエスは、本当の主人に仕えろと言った。仏教以前のバラモンにはいけにえを捧げることが特…

支配被支配

そういえば明治日本が周囲を支配する客観的根拠ってなかったんだよなあ…。主観的根拠はおおいそぎできずきあげたわけだ「大日本帝國」って。日本の植民地支配が経済的には持ち出しで、しかし日本文化を押し付けたことが特徴としていわれているけれども、あは…

『桃色のジャンヌ・ダルク』

ビンラディンもえらいもんに影響を与えたなあ…。国会議事堂前で増山麗奈を制止する警官が、言葉とはうらはらにすごくうれしそうに顔をほころばせているのが面白かった。 あまり調べずに映画館にいったら、けっこう政治っぽかった。自衛隊に調査されたり、原…

『炎の少女チャーリー』

古いVHSで見たのだが、なんだか動きが変。カメラを動かしながら撮影した映像がなめらかすぎる。1秒30コマで収録しているのかな…(だとしたら90分くらいになっていなければならないから、それはないか)。バオー来訪者の元ネタの一つ。

ねずみ男って初期は本当にねずみの顔だった

軽い衝撃…墓場鬼太郎 (1) (貸本まんが復刻版)作者: 水木しげる出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1997/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る

『第9地区』

帰宅して「シネコンウォーカー」の3月号をしげしげと見返してしまった。川村ゆきえ、これ、見たんか…。 話としてはふつうのSFで、主人公が人ならざるものに変化(へんげ)してしまうお話なのだが、戦闘シーンの描き方が『ランボー最後の戦場』みたいにエグ…

サイコダイバー

中学生の頃聴いていた音楽をかけて、疑似タイムスリップをほどこしながら自己分析するのだが、正直苦痛だ。私という存在(客観)に巣くう私の心という名の嘘つき(主観)が、見まい聞くまいとしてきたものを無意識の中からほじくりかえさなければいけないか…

引きずりおろす力としてのデストルドー

究極の引きずりおろしはもちろん殺すことだ。ベトナム戦争のあの有名な拳銃で捕虜を射殺する映像を思い出す。第一次世界大戦は映像で報道された最初期の戦争だったが、検閲があったとはいえ、フロイトもいろいろ見たくないものを見てしまったのではないか。 …

多神教と一神教(と部族神)

ああ、でたらめをいいたい。でたらめをいいたい。でたらめをいいたくてうずうずするよ。 多神教と一神教を対立的に扱うのがなんだか怪しいのだ。過去多神教を崇めていた地域は、だいたい一神教の波を被っている。これは要するに何を意味しているかというと、…

とうとうiPod買った

Apple iPod shuffle 第3世代 2GB シルバー MC306J/A出版社/メーカー: Apple Computer発売日: 2009/09/10メディア: エレクトロニクス クリック: 67回この商品を含むブログ (5件) を見る俺にはオーバースペックもいいところだな。 CDレンタル屋に通いだした中…

『ウルフ』(マイク・ニコルス)

で、口直しに見たのがこれ。 起承転結がないと映画じゃないと思う人は、これに失敗作の烙印を押すだろうが、私は楽しめた。まさに願望充足を観客に提供している。たちあがれジャック・ニコルソン。青春は年齢のことではない、愚直に生きた編集者のファイナル…

『シャッターアイランド』

自分でもなにが気に入らないのかよくわからなかったので10分ほど考えたが、どうもスコセッシは願望充足を観客に提供するつもりがないようなのだ。スコセッシの映画で好きなのは『カジノ』だけで、これは前半のアホみたいに成り上がっていくところが無性に楽…

聖書はおもしろいですよ〜

まあ気が向いたところをつまみ食いしてるだけだけど。「使徒言行録」。使徒がまず徴を、証をもとめたのだ。ペテロが「ダビデは、イエスについてこう言っています」というくだりで、私は驚愕した。おお、インチキはこっからはじまったのか! と。イエスの先行…

あっ、なんで私がエロマンガに反感を抱いていたのか、わかった!

だって俺が精通を迎えたのって1990年だもの。そのころクウェート侵攻があったからよくおぼえている。つまり「去勢コンプレックス」が、1980年代は、フロイトが想定しているのと逆方向から私に襲いかかってきていたわけだ! テレビその他の文化のほうが「性的…