2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

キャラクターとフィギュア

性格と容姿、というわけで、ひさしぶりにロボットもののプラモを作っていて思ったのだが、やっぱり押井守の『イノセンス』って傑作だなあ、と。そればっかりだな俺(ゼロ年代の傑作は、俺にとってはこれと『ダークナイト』だけだな)。ガイノイド機体に乗り…

プラモ療法

もらいもののキットを素組みして金色に着色してみた。けっこう気が晴れる。

傷を負った者にさらに追い打ちをかけて迫害する心理

そういうものは、ある。傷を負った者に「弱い自己」を仮託して、死の世界へ追い出すのだ。アメリカなんか、そればっかり。

三島由紀夫『音楽』とウィリアム・フリードキン『エクソシスト』

音楽 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1970/02/20メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 202回この商品を含むブログ (86件) を見る分析医の汐見が、久しく現れなかった患者の麗子を診察する準備を、夜の都会の人もいなくなったビルの…

オウム真理教事件の「真犯人」は誰なのか

しんのすけさんに刺激されて、事件の裏をあれこれ空想してしまう。私のばあいはオウム事件。あの事件は要するに「麻原の排除」のために、体制と教団が結託したのではないか、というのが私の読み。直前に読んだ『金属バット殺人事件』や『1Q84』も影響してい…

怒りや不安が複合する

金属バット殺人事件作者: 佐瀬稔出版社/メーカー: 草思社発売日: 1984/11/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る『ねじまき鳥クロニクル』にモチーフとして出るバット殺人(そういえば『イングロリアス・バスターズ』もバット殺人だったな)…

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』

買うか借りるか迷うくらいなら、買っちゃやあ、いん、じゃ、ない? (すまん…)巻末解説をサリンジャーに禁じられたことを、翻訳者が当惑しているのだが、こっちが驚くわい。自作の文庫化のさいに他人の解説・エッセイ掲載を拒否する村上春樹がこんなこと言…

オウムのようにならないように、しかし社会にたいしアクションせねば

こういう課題をかかえて我らの世代以降はやってきたわけだが、要するにこんなのただの矛盾でしかなくて、だから私たちは失敗したのである。

ヴァーチャル

ほんとうに久しぶりにオウムの頃の話を人として、その人は当時小六だったのだが、私は宅浪の身でワイドショーを見まくっていたよという話をしたのだが、…これってまったく「戦争の苦労話」ではないか。ふと気づいて愕然とした。ヴァーチャルだから、「実際の…

学歴差別という文化

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)作者: 村上春樹,柴田元幸出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2003/07/19メディア: 新書購入: 5人 クリック: 47回この商品を含むブログ (124件) を見るこの本を読んでいたら著者たちがサリンジャーの家庭について触れて…

かしこまった村上春樹論がどうしてもおかしくなるのは

やはり村上の小説が「泥遊び」のようなものだからだろう。泥遊びは人間の精神に寄与するものだが、しかし他人に説明するようなものではない。通過して、振り返ってあれこれ思うことしかできない。自分の中で。泥遊びを社会的に位置付けようというのが、そも…

香川頼央の述懐

『エディプスの恋人』の後半を占める香川頼央の述懐には感動した。13の餓鬼にはさすがにこれは難しかったろう。40過ぎの男の述懐としてこれは相当に濃密なものだ。関西に帰ってやっと落ち着いた筒井自身の正直な気持ちも少なからず盛り込まれているだろう(…

その場合なら岸田は…

http://twitter.com/tonton1965/status/13646044907 シュレーバーみたいになったんでしょうねえ…。あるいはシュレーバー兄のように自殺したか…。

論述的正確さから離反したがる「サブ文法」

というのが日本語にはあるのではないかとおもうのだが…。言葉であって言葉でない、要するに「心である」という感じを込めたがるのが日本人というか…。英語あたりには、すぐに成句慣用句をつくりたがる「ブロック化動機」が強いのではないか。カルト宗教を考…

鯨肉食をやめさせたい欧米人の手先

http://www.asahi.com/national/update/0509/OSK201005090110.html じゃあなんでほかの魚は大丈夫なんだよ、と思うのがふつうの人の思考である。

アフリカ

吉本隆明老人の脳裏に果たして渥美清やいかりや長介の姿が浮かんでいたのか否か。

『約束された場所で』

出た当初も読んだはずだが、気持ち悪くて、オウム信者たちの発言部分は流し読みしかできなかった。いまはもう時間が経ってしまっているから、わりとふつうに読めた。自我っていうのは(慢性の)病みたいなもので、ようするにあることははっきりしているのに…

村上春樹の学生時代

学生運動とどう関わっていたあるいは関わっていなかったかが知りたいのだが…。しかし膨大に書いているのが、勝手な言い草だが、困るなあ。どこから読み出せばいいのか。

『エディプスの恋人』

20年ぶりの再読。手部高校というのがテーバイのもじりであることすら中学生の私は分からないで読んでいた。思いのほか文体が村上春樹に近いなあ。村上が筒井から影響を受けたというよりも(しかし読んではいただろうが)、筒井も村上も旧来の近代文学の文体…

ところで…

wikipedia:筒井嘉隆 いまはじめて見たのだが、四男って新聞社に勤めていてその意見の官僚的なのに筒井が閉口したっていうのは(『狂気の沙汰も金次第』だったか)、あれは嘘だったのか。別に構わないが…。

『週刊少年ジャンプ』が勃興する頃のことを、私は知らない。

生まれる前なんだから当然だが、しかし、この頃の風景を知らないから誤解している現在の事象もいろいろあるんだろうなと思うのである。私は基本的に昭和35年生まれから45年生まれの人が何を考えているのか、さっぱり分からないのだ。この世代が勃興期のジャ…

さまざまな父たち

福田和也が小林恭二の『父』をずいぶんな言いようで貶していたことがあって、先に小林著を読んだのか福田の評に興味を引かれて読んだのかもう忘れたが、まあいろいろ自分をかばっている様子はあったけれどよく書いてあったと思ったので、福田のいうことがな…

叱られたかった井上ひさし?

過剰に詫びることでその場を収めようとしたら思いのほか相手が話柄をねちねち引っ張るので、平身低頭していたことも忘れて怒りだすというのは、わりとある話。

養育期、反抗期、冗談期

口唇期やら肛門期やらが、ちょっと口にするのは恥ずかしい人は、たとえばこのような表現ならどうだろうと思うのだ。自我の育ちきらない養育期、自我に振り回されんばかりの反抗期、反抗していた頃のことを笑って話せる冗談期というわけだ。冗談がつまらない…

フロイト

どうも人はフロイトのことを性を重視した人物と思っているようだけれども、どちらかといえば、口にしづらいことを重視した人物だと思うべきである。「お母さん、これ何?」と問うこの子は、まだエディプス期(要するに反抗期のことだ)に達していない。

小林よしのりの本宮ひろ志コンプレックス

[rakuten:book:13435534:detail] 本宮が『やぶれかぶれ』という政治マンガを1982年頃に描いていたことを、私はこの本を読むまで知らなかった。で知った今、小林よしのりのことを思わずにはいられないのだ。小林は自分の『ゴーマニズム宣言』の源流に梶原一騎…

小谷野敦の井上ひさしコンプレックス

小谷野さんが天皇制に関してすが秀実に反論して井上を称揚したら、井上が園遊会茶会に出て小谷野さんが梯子を外された格好になったから恨んでいる…、という風に私は理解しているのだが。小谷野さんの井上への発言は過剰に思える。本人が冥府へ旅立ってしまっ…

人は重要なことをわりと平然と話す

平然と話すために粉飾を加えるわけだが。本当の憎悪はなかなか表現できないなどというのは通俗ロマン主義ですよkokadaさん。さて、『残像に口紅を』も読まねばならないか。まったくアマゾンマーケットプレイス地獄めぐりの旅であることよ。

そんなのおかしくないって、小谷野さん

岸田秀もそうだが、母を憎んでいる人がフロイディアンになるのはおかしい。http://twitter.com/tonton1965/status/13603060165 岸田の養家では、義母のほうが家長的だったことくらいは、小谷野さんも知っているんでしょう?筒井と父親の関係は、筒井自身がわ…

『蜂蜜パイ』の甘すぎる嘘

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/02/28メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 427回この商品を含むブログ (355件) を見る『蜂蜜パイ』という短編が興味深い。実家にたいする懸隔感を感じていた主人公は…